建設業界のジャンヌダルク
今日の主人公は、北九州市の建設会社、有限会社ゼムケンサービス代表取締役 籠田淳子さん
同社は社員が8名で内7人が女性という。
建設業とは男性の仕事という固定観念が強かった時代に建設業の父の影響もあり、建設業会を志すが、父から「建設業界に入っても、女は、お茶汲みか電話番しか仕事はなか」と言われ、ショックを受けた。
一級建築士を取得
しかし、建設業の道に進み、設計事務所に入社した。
26歳で、念願の一級建築士に合格。当時では女性の一級建築士は珍しい時代に資格を取得した事で、父は大喜びだった。
セクハラや下ネタは当たり前で、機嫌の悪い表情を練習していたそう。
周りの男性からは「そんな怖い顔をしてたら後ろからミキサー車で潰されるで。」と言われる事も。
月に一度社員に食事を振る舞う
そういう籠田代表は月に一度、社員を自宅に招き、食事を振る舞う事で、社員の体調はどうか、悩んでないか、コミュニケーションの機会を大切にしている。
社長交代
また、唯一の男性社員である松尾さんは創業当初から会社を切り盛りし、支えてきた人物で、2019年に社長に就任した。しかし、社長を退いた籠田は、今でも1日20回程、松尾社長に電話をかけて、指示や激を飛ばす事もしばしば。
女性ならではの職場環境
ある女性社員も、インタビューで、前職で建設会社に勤めていたが、男性社会の中で、出来ないと言えない苦しさに悩み、籠田に引き取って貰い、「今、自分がこうやって建設の道で生きているのは代表のお陰です。」としみじみ語った。
また、子育て等で早く帰らないと行けない等、母親としての役割も果たせるよう、チームワークでリカバリーする。この会社の「仕事はペアで」お互いに助け合いながらという職場風土が根ざしている。
現場主義
終盤に、籠田代表自ら新築現場の完成検査に立ち会う風景が紹介された。籠田代表が、フローリングとじゅうたんの仕上げ部分を見て、切り替えの部分が、フローリングが高く、じゅうたんが低いため、フローリングの角で怪我をする危険性があると、現場監督を叱りつける場面は、見てて緊張感が走る程、緊迫していた。
「怒る時には空気を一変するくらいのエネルギーで伝えないと伝わらない」と、籠田社長のプロ意識を実感する瞬間であったが、
帰りの車中で、「私も辛い」「しかし、私の思いは彼女もわかってくれると思う」と、社員との強固な信頼関係があるんだなぁ、と実感しました。
建設女子を増やす
セブンルールの最後は、「建設女子を増やす」で、これまで、籠田代表の夢であった「建設業に女性の働く場を」との思いを、国や行政に訴えてきた活動が実り、自身が校長となり、インストラクターとして、建設業を志す女性を養成する姿が紹介されました。
平成27年に内閣府より「女性が輝く先進企業表彰」を受賞し、建設業界への女性の進出を増やすために精力的に活動を続けておられます。
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